メラトニンはエストロゲンを増やす?減らす?
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メラトニンとエストロゲンの関係として、お話するべきポイントは2つあります。
- メラトニンには、過剰分泌されているエストロゲンを抑える効果がある。
- メラトニンを増やしたからといって、エストロゲンの分泌量が増えるわけではない。
順番に見て行きましょう。
メラトニンは過剰なエストロゲンを減らす
ご存知のように、エストロゲンは女性ホルモンの一種です。おそらく、このホルモンについて体に悪いというイメージを持っていらっしゃる方はほとんどいないので、
エストロゲンが過剰に分泌されると、何が悪いの?
と、思われる方もいらっしゃると思います。
実は、エストロゲンの過剰分泌が乳がんの原因の一つなのではないか、ということが疑われているのです。
乳がんの中には「ホルモン感受性乳がん」と呼ばれるものがあり、乳がん全体の60~70%を占めています。
これは、乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体にエストロゲンが結びつくことにより、乳がん細胞の増殖が促されるものです。
つまり、エストロゲンの過剰な分泌は乳がんの発生につながりやすいのです。
では、なぜエストロゲンの過剰分泌が起きてしまうのでしょうか?その理由の一つとして、メラトニンの欠乏が挙げられます。不規則な睡眠などでメラトニンの分泌が少なくなると、卵巣からのエストロゲン分泌が過剰になってしまうのです。
したがって、乳がん予防のためにはできるだけ規則正しく睡眠を取った方がいい、ということになります。
また、可能ならば運動などを行ってメラトニンを積極的に増やしていきましょう。
メラトニンががん細胞の増殖を抑えるのは、エストロゲンのことだけにはとどまりません。
免疫細胞を活性化してがん細胞の増殖を抑えたり、抗酸化作用によりがん細胞の発生を少なくしたりもします。詳しくは、リンク先のページでご覧ください。
メラトニンを増やしてもエストロゲンは増えない
エストロゲンといえば、女性らしいきめ細やかなお肌を保ってくれる「美肌ホルモン」です。
睡眠はお肌にとって重要、と言いますし、美容目的のためにメラトニンを増やすことでエストロゲンも増やせないだろうか?と考えていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし残念ながら、メラトニンを増やしてもエストロゲンの分泌量が増えることは無いようです。
エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、特定の時間に多く分泌されるというものではなく、一日を通してまんべんなく分泌されます。ということは、睡眠中に多く分泌されるメラトニンによって、エストロゲンが増えるということはない、ということになります。
睡眠が美容にとって重要なのは、むしろ成長ホルモンの分泌が起こるからです。成長ホルモンはお肌の細胞分裂を促し、メラトニンは成長ホルモンの分泌を促します。
メラトニンと成長ホルモンの関係についてはこちらをご覧ください。
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