1日の流れとメラトニンの分泌の仕組み
メラトニンの分泌は、1日の中での明るさの変化と密接に関わっています。
そこでまず、私達が夜寝ているところから説明を始めましょう。
私達が寝ている最中、脳の中の「松果体」と呼ばれる部分では、メラトニンの分泌が行われています。
このメラトニンの分泌は、だいたい午前0:00~午前2:00頃にピークを迎えます。
ところが明け方になり、太陽がのぼり始めてあたりが明るくなり始めると、光の情報が脳の中の「視交叉上核」という部分に届きます。
この時視交叉上核はメラトニンの分泌を止めるような指示を出し、メラトニンの分泌は少なくなっていき、やがて止まります。
同時に、セロトニン神経にも指示が出されます。セロトニンの分泌が開始されます。
ここでのプロセスを簡単にまとめると、朝の光に刺激されてた視交叉上核はメラトニンの分泌を止め、代わりにセロトニンの分泌を始める、ということです。
さて、日中私達が活動している時には、光の刺激によりセロトニンの分泌が継続されますが、セロトニン分泌の開始から12時間ほど経つと、太陽が落ちてあたりが暗くなり始めます。
するとこの情報が松果体に届き、メラトニンの分泌が開始されます。メラトニンが分泌されると私達の体は眠気を催し、睡眠につきます。
私達の体では、以上のようなプロセスが毎日休むことなく繰り返されています。光の作用、明るさの変化にともなってセロトニンとメラトニンが交互に分泌されているのです。
視交叉上核は体内時計の中枢
セロトニンとメラトニンの分泌は太陽の光によりコントロールされることはわかりました。
ところで外からの光が一切入らない部屋に人を入れた場合、セロトニンやメラトニンは分泌されないのでしょうか?
実際にはそのようなことはありません。人間の体には「体内時計」が備わっており、この時計の作用によりだいたいの時間を把握し、これらの物質が分泌されるようにできています。
この体内時計は全身にありますが、最も中枢の役割を担っているのが、上で述べた「視交叉上核」になります。
しかしながら、現実の時間(=地球の自転)と人間の体内時計には、若干のズレがあります。
人間の体内時計の方が若干長いので、外部から光を取り入れて視交叉上核に送ることによって、体内時計を毎日「更正」してあげなければならないのです。
体内時計は太陽光により、次のように調整されています。
- 目から入った光の情報が、視神経を通り視交叉上核に送られる
- 視交叉上核の指令により、夜にはメラトニン、朝にはセロトニンが分泌される
- 視交叉上核は内蔵や皮膚にある体内時計に時間の指令を伝達する
視交叉上核による体内時計のリセットは、基本的には外の光でなければ行うことができません。
何故なら室内の蛍光灯の明るさはたかだか300ルクス程度ですが、外の強い光は3000ルクス以上となり、光の強さに10倍以上の差があるためです。
そこで、毎朝決まった時間に起きカーテンを開けるのが効果的です。、外の光を目の中に入れることで体内時計がリセットされ、セロトニンの分泌が始まり、体内時計のリズムが作られていきます。
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